肥満とは体脂肪が過剰に蓄積した状態をいいますが、肥満状態の脂肪組織では慢性炎症状態となり、酸化ストレスが亢進することがわかっています。 酸化ストレスとは、害となる活性酸素の産生が過剰となり、それを防御率する抗酸化能とのバランスが崩れた状態です。
この状態は人間だけでなく、犬や猫にとっても非常に重要な健康問題となっています。
一部の調査では、日本の犬・猫の4割近くが肥満、あるいはぽっちゃり気味だと指摘されています。太っていても元気であれば困ることはないと考えてしまいがちですが、以下のような問題が出てくるかもしれません。
①関節炎
太った動物は、体のあちこちにある関節に必要以上の負担をかけます。この余分なストレスは関節の変性を進行させ、痛みを生じさせます。しかし、体重管理だけで、関節炎の薬の必要性を減らし、排除することもできます。関節の痛みは運動能力の低下を招き、さらに肥満を招くため、悪循環になります。
②呼吸器系の不調
肥満状態は、脂肪が胸の周りを締め付けるボディスーツを余計に着ている状態です。これにより、呼吸筋を動かすのに多くの労力を必要として、呼吸がしづらく、浅い呼吸になります。肺がしっかりと空気を吸って膨らまないため、咳が出たり、体温が上がりやすくなります。気管虚脱かや慢性的な咳の多くは、体重を落とすだけでも症状の軽減が期待できます。
③糖尿病
余分な体脂肪は、人間と同じように猫のインスリン抵抗性につながります。実際、肥満の猫ではインスリン抵抗性を示すことがわかっています。猫の糖尿病発症のリスクを減らすためには、体重管理が特に重要です。
④肝リピドーシス(脂肪肝)
太りすぎの猫が病気や精神的なストレスから食欲を失った場合、カロリーを供給するために体脂肪が使われます。猫の肝臓は大量の体脂肪を処理することはできません。そのため、肝臓は脂肪で覆われ、機能しなくなります(肝リピドーシス)。例えば、ペットホテルに預けられた1週間の心理ストレスによる絶食状態が大事に至ることがあります。
⑤寿命の短縮
犬種によって多少の違いがありますが、明らかに肥満の犬の方が、標準体重の犬よりも平均して数ヶ月から2年近くの寿命が短いという報告が出ています。
⑥手術や麻酔のリスク
犬や猫に投薬する場合は、体重1kg当たりの用量によって投与量を決定します。肥満の動物への投与量は脂肪によって増加した体重に合わせて計算され、正確さを失います。これによって、麻酔のリスクが高まります。さらに、麻酔は呼吸を抑制するため、脂肪の締め付けがある肺は適切な換気が困難となります。腹部を開く手術では、脂肪で手袋が滑るため、非常に苦労することがあります。
これらの問題を引き起こさないためにも、食餌療法による減量が何よりも大事です。
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