犬のバベシア症は、非常に小さく、顕微鏡でやっと見えるサイズのバベシア原虫によって引き起こされ、ピロプラズマ症とも呼ばれます。マダニに咬まれることで犬に感染します。犬がマダニの生息している場所に行く可能性がある場合、この病気の存在を知っておくことが必要です。
主な原因
マダニによってのみ感染すると言われていますが、感染した犬と喧嘩をして外傷を負うようなことがある場合には、感染犬からうつる可能性があります。犬種、大きさ、性別に関係なく発症します。日本では沖縄や西日本に多く感染報告がありますが、マダニが生息している地域であれば、感染するリスクはゼロではありません。
感染経路
バベシアに感染しているマダニが犬の皮膚を咬んだ際、その唾液の一部が注入されます。こうして唾液を介してバベシアがうつされ、最終的に赤血球に入り込みます。やがて赤血球の中で増殖し、破裂させて溶血が起こります。
主な症状
発症までの期間
ほとんどの犬において、感染後7日以内に、飼い主様も気づくような症状が見られますが、場合によっては3週間ほどかかることもあります。
最初、犬の突然の元気消失、食欲不振、さらには41℃まで上がることができる高熱が見られます。その後、赤血球の破壊と、それに伴う貧血が明らかになります。例えば、歯茎などの粘膜がうすいピンクになり、飼い主様も容易に気づくことができます。尿は病気が進行すると濃いオレンジ色、あるいは茶色になります。内臓では、特に肝臓、腎臓、脾臓に障害が出始めます。
治療は、最初の臨床症状が現れたらすぐに行うことが非常に効果的です。
マダニ寄生に気づいていなかったとしても、田舎や森を散歩した後から食欲不振などが見られた場合は、早急に診察を受けることが必要です。
主な治療
一般的に、一度バベシアに感染すると虫体の完全な駆除は困難です。
病気の段階によっては、入院して点滴をしたり、肝不全や腎不全の治療を行います。貧血がひどい場合は、体が新しい赤血球を作るのを助けるために、特別な治療が行われることがあります。重篤な貧血は、最終的には輸血が検討されることもあります。
予後
早期に治療を行えば予後は良好で、完全な駆虫には及びませんが、安定した状態が維持できます。犬の全身状態が悪化すればするほど、予後があまり期待できません。病気の段階がどの場合であっても、肝臓に負担がかかることは否めず、治療の基本として肝臓を保護するタイプの療法食が必須となります。
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以下のポイントに着目して調整された療法食で、肝臓への負担を減らし、バランスの取れた栄養分を摂取することができます。
①植物由来(エンドウ豆)タンパク質を使用、特定のアミノ酸を制限、尿素の排出を減らし、肝臓代謝への負担を軽減。
②不溶性繊維使用により、アンモニアなどの毒素の吸収を軽減。
③銅の制限をすることで、有害な肝毒性物質蓄積と肝細胞の損傷を軽減。
④抗酸化物質としてビタミンE、SOD、亜鉛、セレニムを配合。
⑤L -カルニチン配合により、脂肪酸のβ酸化を促進し、肝臓に十分なエネルギーを供給。