炎症性腸疾患(IBD)は、猫の胃、小腸、大腸が慢性的に刺激を受けて炎症を起こす病気です。その結果、炎症細胞が消化管の壁に浸潤して壁を厚くし、食物を適切に消化吸収する能力を阻害します。どの年齢の猫でも発症する可能性がありますが、中高年の猫に多く見られます。
原因
原因は不明ですが、免疫系、食物アレルギー(肉、食品添加物、防腐剤、グルテンなどに対するアレルギー)、腸内細菌に対する過敏症、その他の環境因子の複雑な異常相互作用から生じることが示唆されています。また、人や犬の病態との類似性から、免疫系の遺伝的な異常も関与していると考えられています。
主な症状
主な症状としては、
①下痢(血液が混じる場合もある)
②体重減少
③元気消失
④慢性的かつ間欠的な嘔吐
⑤ガス(鼓腸)
⑥腹部の痛みや、ゴロゴロというお腹の音
⑦被毛のつやがなくなる
などが挙げられます。
通常これらの症状は慢性的で、初めは頻度が少なく、時間の経過とともに増していきます。最終的な確定診断は内視鏡を使っての生検が必要で、これによって炎症性腸疾患の程度も確認ができます。
主な治療
診断結果により猫の症状に合わせた治療計画が立てられます。適切な治療を続けることが必要ですが、完治は難しく、回復後でも再発することがよくあります。
治療の主な目標は生涯に渡り、体重減少を抑える、消化器症状(下痢や嘔吐など)の緩和、免疫系の反応の抑制となります。そのため、免疫抑制剤、抗生物質などの投薬や、消化器に配慮された食事が治療において重要な役割を果たします。
特に、プロバイオティクス入りフードを投与することで、病原性細菌の増殖を抑制し、炎症を管理することが注目されています。
ベッツラボより販売されている猫の胃腸サポートは、以下のポイントに着目して調整された療法食で、炎症性腸疾患による消化器症状を緩和し、バランスの取れた栄養分を確実に摂取することができます。

VetSolution 猫用 胃腸サポート
②高いエネルギー量により食欲不振でも少量で十分なエネルギー摂取が可能。
③プレバイオティクスとプロバイオティクスにより腸内の善玉菌増殖を促進。
④抗酸化物質としてビタミンE、SODを配合。
⑤下痢により脱水した体に適した電解質バランス。